老朽化した
グラブバケットに
納得の買い換えを

PEOPLE 1

重工プラント・
舶用機械本部
重工・舶用第一部

伊藤 聖城
Masaki Ito

2020年入社

PROFILE
日本の発展に貢献できるような仕事に就きたいと考えて就職活動を行い、ある製鉄会社の工場を訪問。工場で使用されていた機械が老朽化しているのを目の当たりにした。鉄鋼はあらゆる業界を支える産業の米と呼ばれる存在であり、その鉄鋼業界を支えている機械の更新に携わることができれば、日本の発展につなげることができる。そう考え、鉄鋼メーカー向けに様々な設備を取り扱っている双日マシナリーを志望した。
現在の仕事
重工プラント・舶用機械本部は、鉄鋼業界、非鉄業界、造船業界をお客様としている部門です。その中で、私は製鉄業界を担当しており、オランダ製の「グラブバケット」という機械の輸入販売を行っております。鉄の素となる鉄鉱石や石炭は、原料船と呼ばれる船で運ばれ、その船から地上へ移し替えられます。その際に鉄鉱石や石炭をクレーンゲームのように掴む機械がグラブバケットです。お客様からお引き合いをいただき、仕様調整(機械の詳細スペックの確認)、見積、価格交渉、商務条件調整、契約、品質検査、納入、代金回収まで、一気通貫した対応を行っています。

STORY01

壁になったのは価格

オランダのある設備メーカーが製造するグラブバケットには標準の仕様(スペック)があり、一からオリジナルで製造するということはありません。しかし、「原料の掴み量(一回で採取できる原料の量)」は、引合いの時点でお客様にご指定いただきます。その情報に基づき設計をカスタマイズして、お客様に納入します。2年前に、あるお客様で老朽化を理由に買い換えを検討しているというお話をいただきました。私が入社する前に一度検討が行われたようで、その時は採算が合わずに一旦クローズ。いよいよ老朽化が進んできたために再び動き出したプロジェクトです。オランダの設備メーカーのグラブバケットをいかにスムーズに納入するか。お客様と設備メーカーとの間に入り、円滑に進めていくことが主担当である私の役目となりました。ここで一番困難だったのは、契約交渉でした。見積を提出し、契約段階になるとお客様から金額交渉がよく入ります。今回は、複数のメーカーが仕入先に入っていたため、金額が通常よりも高くなっていました。

STORY02

納得に足るロジックとは

最初に見積を出した時のお客様の反応は、「価格が他のグラブバケットよりもかなり高額である。このままでは、社内の決裁は到底下りない」というものでした。グラブバケットという機械は港に何機もあります。お客様にはこれまでに何度も購入いただいており、“いつもの”価格ではなかったことからいただいたご指摘です。金額が上がってしまったのには、複数のメーカーが仕入先に入っているなどこの時だけの特別な理由がありました。私はその特殊性ゆえに理論的に答えることができず、説明に窮してしまいました。お客様に何度説明しても、筋が通ってないと一蹴され、時間だけが過ぎていく状態で、非常に辛い思いをしました。お客様に納得いただくためにはどうすればいいのか。この時に学んだのは、一人で考えても時間が過ぎるばかりでいい解決策は出てこないということ。その点に気付いてからすぐに、上司に相談をしました。そして、まずは状況報告を行い、加えて「次はこのようにやろうと思っていますが、どう思いますか?」と伝えることに。すると、「いや、こういうふうに進めたほうが良い」と的確なアドバイスをもらうことができました。このアドバイスを元に方向修正し、資料を作成。何度もお客様と交渉した結果、無事に契約をいただくことができました。

STORY03

向かい合い、
一つひとつ信頼を重ねていく

何をするにしても、迷ったり、悩んだりすれば先輩や上司を頼ること。「一人で抱え込む必要はない」この点が分かっているだけで若手は思いきって仕事ができると思いますし、当社はその状況が当たり前です。そして、そうした社風の中で、大きな仕事を任せてくれることも特徴だと思います。もちろん、仕様調整~品質検査など技術事項を学びながら対応することは大変です。メーカーとお客様の窓口は、自分であるというプレッシャーは常にありますが、自分自身を成長させていく経験になっていると感じます。実際に、オランダで行われたこのプロジェクトの出荷前検査で、メーカーをリードし、お客様から製品の出荷許可をいただくことができました。どんなに辛い状況であっても、逃げ出さず、投げ出さず、一つひとつできることを明確にし、やりきることの大切さをこのプロジェクトから学ぶことができたと思います。私が現在対応していることは小さな範囲かもしれません。例えそうであったとしても、鉄鋼業界を私の仕事で的確にサポートする。入社前に想い描いたことを、まさに体現できていると思います。

COLUMN
将来的には海外での活躍を

海外メーカーの方とよくやり取りをするのですが、日本人とは違い言わずもがな「何となく伝わる」ということはありません。そのため、理論的に分かりやすい説明を行う必要があります。そして、その説明を英語で行うので、ロジカルな力と英語力を同時に高められていると思います。また、グラブバケットの出荷前検査で海外メーカーを訪れた際、当社の海外駐在員の方と会話をし、「日本とは違う成長を得られる」と伺いました。実際にその方の仕事姿は格好よく、それが海外の経験で身に着けられていることもよく分かりました。その方を目指し、ゆくゆくは海外駐在も目指したいと思います。