政変を乗り越えた、
ミャンマーでの
変電所建設

PEOPLE 2

電力・原子力本部
電力・エネルギー部

赫多 亮
Ryo Kakuta

2020年入社

PROFILE
大学では法学部に所属し、公務員を就職先として検討していた。そんな時、商社で働き、起業してヨーロッパを駆け回っているという親戚から、仕事の話を聞く機会があった。公務員試験に合格はしていたが、そのような仕事に魅力を感じて商社へと方向転換。そして、双日マシナリー社員との面談を通して、いくつもの大きなプロジェクトを動かしてきた話を聞き、自分も挑戦してみたいと考えて入社を決めた。
現在の仕事
現在は電力プロジェクト課に所属し、ODAで実施される発電所、変電所の建設に携わっています。任されているのは、アジアとアフリカを舞台として、国際競争入札の応札と受注済案件の履行です。EPCと呼ばれる、設計、調達、建設が一体になったエンジニアリング事業といった形になっているため、機械の専門商社である双日マシナリーの中では、少し特殊な存在かもしれません。プロジェクトに対して何が最適解かを突き詰め、調査、パートナー会社とのフォーメーション組成、商務・技術条件の策定、入札のための資料作成などをまとめあげて、一番札を勝ち取るために全力を尽くす。勝ち取れた後は関係各所と協力しながら、スムーズな履行を目指します。

STORY01

国内の混乱がもたらす高難度な交渉

今、まさにアジアでODA変電所EPC案件を履行している最中で、ミャンマーで建設を進めています。いよいよ建設が開始されるというタイミングで参加をしました。経験を積むことを目的に、全体のとりまとめやEPCコントラクターの代表としての連絡やり取りを主な役割として担っています。また、技術的な内容も商務に影響するため、日々のパートナー会社とのやり取りも欠かせません。そうした中で、このミャンマーという国で、21年~22年にかけて政変が発生してしまったのです。しかし、すでに各設備の製造は進んでいましたし、建設を途中で取り止めることはできません。どのように案件を進めるか。そして、どうやってお金を回収していくのか。そういった問題が立ち上がりました。政変の影響で国内が混乱しているため工期は絶対に遅れてしまいますし、その分、追加費用も発生します。その交渉を現地のTOPとしなければならないのは、EPCコントラクターの代表である双日マシナリーの役目。つまり私の役目となったのです。

STORY02

諦めなかったから道が拓けた

私にとってさらに事態は難しくなります。現地のTOPへの交渉の際、技術的な話は一緒に工事を行っているエンジニアリング会社の方にお願いをしていたのですが、その方がコロナウイルスに罹患してしまい、私単独で交渉の場に向かうことになってしまったのです。でも、工期の延長と追加費用の交渉は成功させなければならない。そうしたプレッシャーの中で、とにかくできるだけの準備をやっていこうと考えました。思い出したのは「今行動しないのはベストではない」という、以前のプロジェクトで上司からもらったアドバイス。その言葉に後押しされ、可能性が本当にゼロになるまで動くと決め、思いついたのは“情報を持っている人に会う”ことでした。そう、ミャンマーで施設や設備の建設を行っているのは、私たちだけではなかったのです。他のプロジェクトを行っている他社の担当者の方に電話を掛け続け、ようやく「工期延長と追加費用の交渉を終えた」という方につながりました。この方から情報をいただくことができれば、交渉をうまく行えるはず。諦めなくてよかったと、心から思ったことを覚えています。

STORY03

タフな交渉から生まれる感謝が嬉しい

紹介が紹介を呼んでようやく辿り着いたその方は、急な依頼だったにもかかわらず、夕食を食べながら話をしましょうと誘ってくださいました。そして、「どう交渉を展開されたのか」「誰と話せばいいのか」「誰が一番決定権を持っているのか」など、様々な情報を教えていただけたことで、方向性と戦略を打ち出せ、無事にいい形で交渉をすることができました。はじめてのことばかりの経験でしたが、プロジェクトの責任者としての役目を全うできたことで、双日の顔として自信を持つことができるようなったと思います。このように国際競争入札におけるEPC事業は相当にタフな世界です。しかし、決して一人で抱え込んでしまうことはなく、常に先輩や上司に相談できる環境は整っています。このプロジェクトでも多くの場面で上司にフォローしてもらいました。なかなか想定通りに進むことはほぼありませんが、懸命に色々なことを調整した時に周りの仲間から「ありがとう。助かったよ。」といった言葉をもらえることが、大きなやりがいです。感謝をもらえた数だけ、自分の成長を実感することができますから。そうした中でもっと経験を積んでいき、ゆくゆくは一人で入札から履行までをスムーズに導けるようになりたいです。

COLUMN
英語の中に身を置くからこそ

ご紹介したように私の仕事は国際競争入札ですから、海外の方と常に関わっています。例えば、ミャンマーですと双日のヤンゴン支店というところに現地の人員が採用されており、彼らと会話をする機会が多くありますね。また、当然海外出張も大変多いです。1ヵ月に2ヵ国、それが3ヵ月続くなんてこともあるくらいです。入社前はこんなに海外に行く機会があるとは思っていませんでしたが、個人的にはすごく楽しいと感じられています。ただ、私は学生時代に英語を学んでいなかったので、その点は少しだけ苦労しました。ですが、仕事をする中で地道にやっていけば身に着けられると思うことができ、不安を感じることはなかったですね。